合掌

今日、友人と最後の別れをしてきました。

信じられなかった。揺すれば起きあがってきそうな感じがした。でも、彼はもう二度と目を開けることは無い。それがたまらなく悲しかった。

彼の家族、職場の上司、小学校からの友人など、色々な人の弔辞を拝聴しました。それが目に浮かび、どんな生活をしてきたのかが垣間見れました。しかし、共通してることがありました。人当たりが良く、どんなときでも笑顔を絶やさない。誠実で真っ直ぐな人。確かに、そういう人でした。

自分との付き合いはそれほど長くはないですが、高校2年生の時に初めて出会い、それからの約6年。思えばあっという間に過ぎ去ってしまいました。高校の時は同じクラスだったので毎日のように顔をあわせることができましたけど、専門学校に進学して学科が別れたら、会う機会は減ってしまいましたけどね。それでも昼休みには会うこともあり、他愛のない会話をしてました。選択の授業で一緒になったことがあり、互いに努力しあって検定試験に臨んだこともありました。卒業してからは仕事が忙しいせいもあって会うことがありませんでしたが、たまに電話をしたりしました。いつもの口調で遊びに行かないかとよく誘ってくれましたね。しかし、その度に私は断ざるを得なかったですね。何せ、仕事の時間が彼とは全く違ったんですから。JRに勤めていた彼は平日休みがほとんどで、私は土日休み。しかも勤務時間帯もかなり違っていたので、すれ違いばかりでした。

最後にもらった電話は5月25日、同窓会の連絡でした。彼はいつものように、自分の仕事中に電話を掛けてきました。そのときはすぐに切ってしまいましたけど、早めに仕事を切り上げて折り返して連絡しましたね。いつもと変わらない声・口調で話していたのが今では嘘のようです。もう、彼の声を聞けないとなると、やるせない気持ちでいっぱいです。

22年という短い人生だったけど、子供の頃からの憧れの職業に就き、ひたすら前向きに努力して生きてきた彼のことを、私は一生忘れることが出来ないでしょう。そして最後の別れ。私は彼に「さよなら」とは言わず、「またな」と声を掛けてきました。みんなが終わりの地点にたどり着く前に行ってしまったんだから、みんながそこに着くまで待っていて欲しい。何年先の事かは全く分からないけど胸を張って会いたいからな。その時までの別れなんだから、今はゆっくり休んで欲しい。次に会ったとき、またいつものように話しをしような。その時は向こうでの体験談なんか聞かせてくれるかな。私はこっちでの話題を用意しておくからな。

それまで、おやすみ。友よ・・・